「窓ガラスが多い家は明るく、住みやすい」と考える人は多いでしょう。
ですが、基本的に住宅用窓ガラスは強度が弱い建材です。
しっかりと防犯対策をしておかないと、空き巣に入られてしまうかも…。
今回は窓ガラスに多い侵入手口を紹介しながら、家庭でできる防犯対策や防犯ガラスの選び方について解説していきます。
窓ガラスに多い侵入手口4つ
警察庁が毎年発表している犯罪統計によると、住宅を対象とする侵入盗は毎年45,000件前後発生していますので、決して他人ごとではありません。
中でも空き巣は住宅用窓ガラスを破って侵入する手口が多く、5分とたたずに窓が割られ、泥棒が家に侵入してきます。
以下の記事で詳しく解説していますが、絶対に割れない窓ガラスはありません。
空き巣がよく使う、次のような手口をしっかり理解しておきましょう。
手口1. こじ破り
窓ガラスと枠の間にドライバーを差し込み、クレセント錠の周り3か所のガラスにヒビを入れて割る方法で、「三角割り」とも呼ばれます。
大きな音をださずに、10秒程で解錠することができます。
手口2. 焼き破り
ガスバーナーを窓ガラスにあててから冷たい水をかけ、急激な温度変化でガラスを割る方法。
大きな音がでず、非常に簡単です。
手口3. 突き破り
先がとがった細いアイスピックを使い、住宅用窓ガラスのクレセント錠めがけて一気にガラスを突き破る方法。
クレセント錠のレバーをそのまま倒してしまうため、犯行が早いのが特徴です。
手口4. 打ち破り
バールやハンマーなどを使って、窓ガラスを粉々に打ち割る方法。
大きな音が出るため住宅密集地ではあまり使われませんが、破壊力があり犯行がスピーディーで、被害程度も大きくなります。
フィルムを貼るより防犯ガラスに変えるべき!
住宅用窓ガラスには厚みがあり、サッシや枠で支えられているためある程度の強度はありますが、壁や扉に比べるとはるかに弱いのが現実です。
窓ガラスは常に泥棒や不審者から狙われていると考えて、事前に防犯対策をしておきましょう。
ホームセンターなどで購入して自分で施工できる防犯フィルムも役に立ちますが、一番効果的なのは防犯ガラスの導入です。
フィルムはリーズナブルでほとんどの住宅用窓ガラスを補強できるといったメリットがありますが、充分な厚みがない商品が多く、0.35㎜以下のフィルムでは高い防犯性は期待できません。
それに比べて防犯ガラスであれば「割れにくい」という確実な防犯効果があり、20年以上の耐久性があります。
価格は高くても防犯ガラスのほうが安全で、長い目で見てお得なのです。
窓まわりの断熱性を向上させる市販のフィルムもありますが、防犯性能と同様に大幅な機能アップは望めません。
窓周りの断熱リフォームの方法や必要性をまとめた次の記事も、あわせて確認をしておきましょう。
防犯ガラスの構造と選び方のポイントは?
防犯ガラスとは合わせガラスの一種で、2枚のガラスの間に0.76㎜以上の厚みのある特殊フィルムを挟み込み、圧着させたものです。
フィルムが厚いほど強い打撃や衝撃を吸収・緩和でき、破壊や貫通を食い止める高い防犯効果が得られます。
空き巣の手口からわかるように、犯罪者が何より嫌がるのは犯行に時間がかかること。
早く侵入して逃げることを第一に考えているので、5分程度破壊に耐えることができる防犯ガラスなら、かなりの確率で泥棒を撃退することができます。
とはいえ防犯ガラスは一般的なフロートガラスよりも価格が高いので、全ての窓ガラスを防犯ガラスに変える必要はありません。
泥棒が侵入口に選ぶ次のような窓を中心に、防犯ガラスの導入を検討しましょう。
- 壁や植木に囲まれていて、周りから見えにくい場所にある
- 面格子がついていない
- 足場がなくても手が届く、低い位置にある
雨戸や面格子を追加する、補助錠を取り付けて2ロックにするといった方法でも、住宅用窓ガラスの防犯効果を高めることができます。
既設のサッシによっては厚みのある防犯ガラスが導入できないケースもありますので、建築業者やガラス屋さんの意見も聞きながら、ご自宅にあった窓ガラスの防犯対策を進めましょう。
ちなみに、空き巣などの被害を受けて窓ガラスが割れてしまった場合は、保険で修理ができるかもしれません。
住宅用窓ガラスの修理や交換、気になる費用や保険対応についてまとめたこちらの記事も、あわせて確認しておくことをおすすめします。