ガラスは室内を明るくし、熱や音、不審者の侵入を防いでくれる大事な建材です。
ですがガラスの種類だけに注目して、窓を選んではダメ。
ガラスが本来の能力を発揮するためには、サッシ選びも重要なのです。
今回はデザイン面も含めて、住宅用窓ガラスとサッシの選び方を解説していきましょう。
どうして窓ガラスにはサッシ選びが重要なの?
サッシとは窓ガラスを支える枠や、建物に取り付けられた框のこと。
選び方によっては、次のような点で生活に支障をもたらします。
理由1. 住宅の耐久性を悪くする
素材によって腐食や劣化のスピードが違うので、選び方を間違えると窓ガラスの点検・交換が必要になり、メンテナンス費用がかさみます。
理由2. 冷暖房費を増大させる
サッシの素材には断熱性の良い物・悪い物があり、窓ガラスの機能と上手に組み合わせないと余計な冷暖房費がかかります。
窓周りはお部屋の中で一番熱の出入りが激しく、結露ができやすい場所。
場合によってはサッシの交換も検討する必要がありますので、結露の原因や窓周りの断熱リフォームについてまとめた以下の記事も、あわせて確認しておきましょう。
理由3. 防犯面での不安が増える
サッシの強度や耐火性によっては不審者の侵入や火災発生時のリスクを高めるため、設置場所にふさわしい形状やガラスと組み合わせる必要があります。
理由4. 家の美観を左右する
サッシの形状によっては次のようなデザインの窓ガラスを作ることができ、インテリアのアクセントになって、住む人の満足度を左右します。
- 横引き窓(引き違い・片引き・引き分け)
- 上げ下げ窓
- 滑り出し窓
- 内倒し窓・外倒し窓
- 開き窓・外開き窓
- ルーバー窓
- フィックス窓
- 出窓
- シャッターや網戸などを組み合わせた窓
理由5. 生活がしにくくなる
サッシが重いと開け閉めがしにくくなり、通風状態を悪化させて室内にカビが生えるなど、健康面でも悪影響を与えかねません。
理由6. リフォームがしにくくなる
窓ガラスは割れやすいため将来的に交換やリフォームも考えなくてはいけませんが、サッシの形状や種類によっては交換ができず、多額のリフォーム費用がかかる可能性があります。
窓ガラスとサッシを組み合わせるポイント
サッシは組み合わせる窓ガラスの機能を引き立てる、もしくは欠点を補う素材を選ぶ必要があります。
素材ごとの特徴を、しっかりと理解しておきましょう。
- アルミ ⇒ 断熱性には劣るが軽量で、耐候性や防火性などの強度が高い
- 塩化ビニールなどの樹脂 ⇒ 強度は劣るが、断熱性に優れている
- 木 ⇒ 腐食や磨耗などの耐久性には劣るが、美しい質感や風合いが出せる
最近は室内外で異なる素材を組み合わせて欠点を補い合う、「複合サッシ」も登場しています。
こういったものも上手に活用しながら、ガラスの機能を生かすサッシを選びましょう。
住宅用窓ガラスの種類については、次の記事で説明をしています。
あなたのお家のサッシ選びに、役立ててください。
窓ガラスとサッシデザインの考え方
ガラスやサッシのデザインは美観を左右するだけでなく、採光性や通風性、防犯性や断熱性など、窓の機能にも影響を与えます。
設置場所ごとの窓の役割も考えて、好みのデザインを選びましょう。
- 玄関 ⇒ 防犯性を重視・明るさや通風性を確保
- リビング・ダイニング ⇒ 断熱性を重視・明るさや開放感、通風性を確保
- キッチン ⇒ 防火性を重視・通風性を確保
- 寝室 ⇒ 防犯性や防音性を重視・リラックス感を確保
- 子供部屋 ⇒ 防音性を重視・明るさや通風性を確保
- 和室・応接室 ⇒ 明るさを重視・庭を見せておもてなし感に配慮
- 洗面室・トイレ ⇒ プライバシー保護を重視・明るさや通風性を確保
- 浴室 ⇒ プライバシー保護を重視・通風性やリラックス感を確保
- 階段・廊下 ⇒ 採光性を重視
- ウォークインクロゼット・納戸 ⇒防犯性や通風性を重視
窓周りは雨風や結露などの影響で汚れやすいので、メンテナンス性も大事です。
汚れない窓ガラスで美観をキープするという方法もありますので、詳しくまとめたこちらの記事も、ぜひ参考にしてみてください。
ガラスの交換はできても、サッシの交換はなかなか難しい面があります。
既存の枠や開口部を活用してリフォーム可能なサッシもありますので、将来のライフスタイルも考えて、使いやすい住宅用窓ガラスを選んでください。