窓ガラス選びで意外と見落とされやすいのは、防音対策です。
快適に整えたはずの住宅で漠然としたイライラや、健康不安を感じている場合は、窓の機能にも注目をしましょう。
「音」は私たちの日常に、大きな影響を与えています。
騒音の侵入や日常の音漏れを防ぐ、窓ガラスの防音対策について詳しく解説していきます。
窓ガラスの防音って必要?こんな騒音に注意!
私たちの日常生活を脅かす騒音には、次のようなものがあげられます。
- 車やバイクの走行音・クラクション
- 電車が通る音
- 道路工事や建設現場の作業音
- ご近所さんの話声
- 近隣住宅からのテレビや楽器の音漏れ
- 室外機の作動音やペットの鳴き声
- 広場や公園での騒ぎ声
- 近隣店舗の音響や賑わい
私たちは普段からさまざまな音に囲まれていますから、「些細な音なら、我慢すればいい」と考えてしまうかもしれません。
ですが人間の耳には、一度気になった音を無意識に聞こうとする困った特性があります。
そのため小さな騒音でも強いストレスとなり、慢性的な疲労や血圧上昇、心疾患や難聴などの健康被害を引き起こすリスクがあるのです。
逆に自分の生活音が周りに漏れて、深刻なご近所トラブルに発展するかもしれません。
快適な生活と健康を守るためにも、窓ガラスを始めとする住まいの防音対策は重要なのです。
騒音と同様に、住宅用窓ガラスから入り込む紫外線のダメージも考えもの。
窓ガラスの紫外線対策やUVカットガラスの選び方についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
あわせて確認をしておきましょう。
防音不足を感じたら窓ガラスを見直しましょう
そもそも「音」とは、空気の振動によって私たちの耳に伝わる聴覚刺激です。
外の騒音が家の中に入ってこないのは、住宅用建材がしっかり空気を遮断してくれるから。
そういった建材の中でも、一番音の侵入を許してしまうのが窓ガラスです。
石膏ボードや断熱材、構造用合板やサイディングなどのいくつもの建材が層になっている壁には155㎜前後の厚みがありますが、住宅用窓ガラスの主流であるフロートガラスの厚みはたった5㎜前後。
建材は厚いほど音を防ぐことができますが、窓ガラスは他の建材と比べると薄いため、騒音の出入り口になってしまうのです。
壁だけに囲まれた部屋なら80dbの騒音を40db以下に軽減できますが、1枚でも窓ガラスがあれば、室内騒音はなんと60dbに!
他の建材の防音効果を台無しにすることもあるため、住まいの防音対策は窓ガラスを中心に考えていきましょう。
音だけでなく、ガラスは熱の侵入を許してしまいがちな建材です。
結露の原因や窓ガラスの断熱リフォームについてまとめた以下の記事も参考に、断熱&防音、両方の対策を一緒に検討してはいかがでしょうか。
防音効果の高い窓ガラスの選び方
厚みのある複層ガラスであれば音の侵入を防げると考える人もいますが、2枚の薄いガラスを重ねただけでは、それほどの防音効果は得られません。
静かで快適な住宅空間を作る場合に選ぶべきは、「防音ガラス」です。
防音ガラスは2枚のガラスの間に防音特殊中間膜を挟みこんだ、合わせガラスの一種。
音の振動を熱に置き換えて消滅させ、騒音をしっかりシャットアウトし、生活音も逃がしません。
窓ガラスの防音性能はJIS(日本工業規格)の遮音等級、T-1~T-5でランク付けされます。
数字が大きいほど防音効果が高くなりますので、窓ガラス選びの参考にしてください。
ただし性能の高い防音ガラスは、価格も高いのがネック。
次のような場所を中心に導入することで、効率よく快適なお住まいを整えましょう。
- 交通量の多い道路に面した部屋
- 寝室
- オーディオ機器やピアノのある部屋
- 子供部屋
サッシの隙間からも、騒音は入り込みます。
サッシの選び方については次の記事で詳しく説明していますが、騒音がひどい場合は窓全体のリフォームも考えて、業者と相談をすることをおすすめします。